刑事人権を考える
 京都府舞鶴市で起きた殺人事件で、60歳男性宅の家宅捜索が5日間に及んでいると報道されています。(08.12.02.時事ドットコム

 普通の家を、5日にも渡り、です。
 「首相官邸を捜索するのに、5日かかった」なら話もわかるのですが・・・。

 たしかに、現行の刑事訴訟法上は、捜索に期間制限がありません。
 しかし、普通の家を5日間にもわたり捜索することが、1枚の令状の効果として許されるかは疑問です。

 そもそも、令状が必要とされた趣旨は、強制捜索という国家による重大な人権侵害に対して、司法が事前にチェックをするというところにあります。
 では、「チェック」した司法は、捜査機関が5日にもわたり家宅捜索することを許容したのでしょうか?
 許容したとしても、そもそも、そのような国家による人権侵害(ざっくり言うと、捜査機関により家をむちゃくちゃにされること)は、許されることでしょうか?

 60歳男性は、窃盗容疑で逮捕・起訴されています。
 だから、自分の住居の捜索に、立ち会う事ができません。
 自分の家がひっくり返されているのを、指をくわえて見るしかできないのです。

 京都府警としては、何としてもこの60歳男性を犯人に仕立て上げたいのでしょう。
 たしかに、この60歳男性が無実とは断定できないかも知れません。
 しかし、そんな事を言い始めたら、事件現場付近に住んでいる人みなが、家宅捜索の対象になってもおかしくないでしょう。
 「ぶっそうだなぁ」なんて家宅捜索を傍観していた人に、次は捜査の手が及ぶ可能性があるのです。

 「他人は他人、自分は自分」。
 オレオレ詐欺に未だにひっかかる人が多いのは、このような態度に原因があると指摘する人がいます。
 今回の家宅捜索を見ながら、「まぁ、自分にはそんな事が起きるはずもない」と思っている人が大半だと思います。
 しかし、本当にそうでしょうか。
 よもすれば、自分に襲ってくるかもしれない、国家機関による人権侵害。
 家をひっくり返され、無罪推定原則もひっくり返され、人生をもひっくり返されかねない現在進行形の国家による犯罪に、「60歳男性宅、5日間捜索事件」と名づけてもおかしくはないとおもいます。


未分類 | 09:32:20 | Trackback(0) | Comments(0)
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